ローコード・ノーコード

やっぱり気になる!エンジニアの職種ごとの年収ランキング比較

kotobato

前回の記事では、人気のプログラミング言語を、日米のいくつかのサイトでチェックしてみました。使っているユーザー数やマーケットのニーズ、エンジニアの年収などで比較すると、なかなか興味深い様子が伺えました。もちろん、集計方法がそれぞれで異なりますし、複数の言語スキルを持つエンジニアも当たり前にいるので、同列で比較はできません。しかし、モバイルやAIという社会のトレンドや、レガシーなシステムへのニッチで強いニーズなどの傾向は掴めました。

では、エンジニアの職種ごとの年収はどうなっているでしょうか?開発言語の人気と連動している?していない?そして、テスターは本当に注目されているのか?

人気プログラミング言語を日米比較したら、違いがかなり興味深い

ITエンジニアの職種ごとの年収ランキング:国内版

まず、パーソルキャリアが発表しているランキングで、日本国内の状況を見てみましょう。

パーソルキャリア

順位職種/スキル名平均年収
1業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ535
2Webサービス系エンジニア・プログラマ501
3スマホアプリ・ネイティブアプリ系エンジニア487
4インフラエンジニア509
5セキュリティエンジニア601
6社内情報システム(社内SE)597
7データサイエンティスト617
8ITコンサルタント723
9プリセールス680
10サポート・ヘルプデスク 451
(単位:万円)

出典

次に、マイナビ転職のランキングからは、「職種分類」が「ITエンジニア」の項目だけを抜き出してみました。こちらは、アナリストやコンサルタント、アーキテクト、マネージャーなどの総合職が人気のようです。

マイナビ転職

順位職種/スキル名平均年収
2システムアナリスト1,180
6システムコンサルタント(業務系)1,003
19ITアーキテクト722
25プリセールス・セールスエンジニア667
27プロジェクトマネジャー・リーダー(WEB・オープン・モバイル系)656
43通信設備設計・構築(有線系)600
46システムエンジニア(DB・ミドルウェア設計/WEB・オープン・モバイル系)599
48ネットワーク設計・構築(LAN・WAN・インターネット)592
52プロジェクトマネジャー・リーダー(汎用機系)588
66システムエンジニア(アプリ設計/WEB・オープン・モバイル系)577
(単位:万円)

参考

ITエンジニアの職種ごとの年収ランキング:海外版

続いて、こちらも海外の状況を、Scalerというテック系の学習サイトで見ておきましょう。幅が広いですが、トップは日本円で約2,490~4,680万円!

Scaler

順位職種/スキル名平均年収
1ソフトウェア・エンジニアリング・マネージャー160,000〜300,000+
3ソフトウェア・アーキテクト140,000〜280,000+
4プリンシパル・ソフトウェア・エンジニア160,000〜300,000+
5サイバーセキュリティ・エンジニア80,000〜180,000+
6クラウドアーキテクト/エンジニア100,000〜200,000+
7AI/MLエンジニア100,000〜260,000+
8データサイエンティスト80,000〜220,000+
9ブロックチェーン開発者/エンジニア80,000〜200,000+
10プロダクトマネージャー(技術系)70,000〜200,000+
11プログラム・アナリスト/マネージャー50,000〜150,000+
(単位:US $、円換算は日本時間で2024年11月14日時点のレート)

出典

では、エンジニアの求人サイトではどうでしょうか。こちらも、1位は約2,890万円と魅力的な金額です。

Indeed

順位職種/スキル名平均年収
1最高技術責任者(CTO)185,111
2ソフトウェア・エンジニアリング・マネージャー165,328
3機械学習エンジニア161,423
4エンタープライズ・アーキテクト145,829
5サイト信頼性エンジニア143,110
6ソフトウェア・アーキテクト141,619
7データ・ウェアハウス・アーキテクト133,516
8テクニカル・プログラム・マネージャー          131,586
9クラウド・エンジニア128,063
10モバイル開発者126,365
(単位:US $、円換算は同上)

出典:18 Highest Paying Coding Jobs: Salaries and Responsibilities | Indeed.com
https://www.indeed.com/career-advice/pay-salary/highest-paying-software-jobs

テストエンジニアがアツいのは、これから!

さて、こうしていくつかのランキングを俯瞰してみると、テストエンジニアの人気が高まりつつある傾向は、現時点ではまだはっきりとは示されていません。テストの位置づけが開発の一部として組み込まれ、エンジニア職として独立して扱われることが限定的なためかもしれません。

しかし、テストに関わる上級エンジニアがこれから注目される条件は揃っています。何より、現時点でエビデンスはないものの、肌感覚でその傾向を感じるという現場のセンスこそ、今回の上級テスターの価値という話に通じるといえるでしょう。

ローコードによる内製化

外部のSIerへの依存比率が高かった日本企業も、DX実現のためにローコード・ノーコード開発で内製化にシフトしています。リリース頻度も上がる中、通常のテストでは見つけられない問題の「勘所」がわかる、現場のプロのスキルが求められます。

AIと自動化の進展

テスト自動化ツールがAI技術と急速に連携して効率化されれば、人間の手間は減ります。そのため、テストエンジニアに対しては、単なるテストではない、新しい技術に対応するスキルやノウハウ、ビジネス面からの指摘が期待されます。

DevOpsの普及

元々、開発と運用の連携を重視するDevOpsの導入により、テストの自動化や継続的インテグレーション(CI)が、より求められていました。セキュリティーなど、テストエンジニアの専門知識が重要視される傾向は、さらに強くなっています。

品質保証の重要性

ITシステムなしのビジネスはあり得ません。ソフトウェアの品質がビジネスの成功に直結するため、テストエンジニアは品質保証の観点から重要な役割を果たします。特に、上級エンジニアは戦略的なテスト計画を立てる能力が求められます。

開発言語も年収も気にしつつ

人気の開発言語とエンジニアの職種ごとの年収には、密接な関係があります。需要の高い言語を習得することで、選択肢は拡がります。一方で、レガシー言語も特定の業界での需要が高く、安定した年収を得られます。

これらは、テクノロジーの進化とともに変化し続けています。ローコード・ノーコード開発の普及で、非エンジニアにもシステム開発の民主化という可能性が広がる一方、テストエンジニアという専門職のニーズが高まりつつあります。レガシーなシステムとの連携も時には必要ですし、AI時代に最適化された新しい開発言語が登場するかもしれません。

ただし、開発言語や職種に限らず、「○○○はもう古い!これからは○○○だ!」といった煽りは、時代ごとに繰り返されてきました。新しい情報に接してスキルを磨きつつ、トレンドの変化を意識しながら、何を自分の価値提供とするか?エンジニアのキャリアパスにとって、これらのバランスや視点が重要になりそうです。

では、ローコード開発とAIがさらに普及する昨今、テスターを含むエンジニアとしての、人間に求められる資質とは一体何なのか?それを次回、考えてみましょう。

[nlink url=/2024/11/27/qualities-required-of-engineers-in-low-code-ai-dev-era/

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リプリパ編集兼外部ライター
企画制作や広告クリエイティブ畑をずっと彷徨ってきました。狙って作るという点ではライティングもデザインの一つだし、オンラインはリアルの別レイヤーで、効率化は愛すべき無駄を作り出すため。各種ジェネレーティブAIと戯れる日々です。
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