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ローコード・ノーコード

ローコード開発の成功率をUPさせよう!テストを自動化するmablで

kotobato

経済産業省の「DXレポート」で警告された「2025年の崖」は目の前。IT化の遅れやレガシーシステムの維持、慢性的な人材不足などにより、大きな経済的損失を被る可能性は徐々に現実となっています。

真のDXを実現するには、IT化によって創造的な破壊を推進する以外ありません。そのためには、今まで外部のSIerに委託していたシステム開発も社内で内製化し、変化に柔軟に対応できる体制が必要です。テストというプロセスも例外ではありません。実は今、この分野もAIによって高度な自動化が進んでいます。

テストの内製化など必要なかった!今までは…

ITシステムのテストとは、要求された機能が正しく実行されるか、バグがないか、UIにストレスがないかを確認する重要なプロセスです。しかし、IT業界以外の企業にとって、テストまで内製化する必要はありませんでした。

文化的な障壁:日本企業の多くは、従来の階層的な組織文化が根強く、迅速な意思決定や柔軟な対応が難しい場合が珍しくありません。これが、システム開発の効率化を阻み、DXの推進を妨げる要因となってきました。

外部SIer依存体質:IDC Japanの調査によると、日本の大企業は約75%がITの内製化を実践していますが、将来的に全工程の内製化を目指すのは30%以下に留まりました。外部のSIerへのアウトソース率が高い企業では、自社のシステムでも委託先に聞かなければ詳細がわからない、主客が逆転した状況も珍しくありません。

レガシーシステムへの依存:新しい技術が導入されなければ古いシステムが延命され、テストの必要もありません。レガシーシステムの維持管理に多くのリソースが割かれ、イノベーションはさらに遠のくジレンマに。

スキルと人材不足:人材不足は深刻で、テストの効率化・自動化に関する専門人材に限らず、内製化が進まない要因となっています。当然、限られた予算の中で、優秀な人材を確保しなければならない、非常に厳しい状況です。

システム開発を内製化するなら、テストも必須

企業が自社の競争力を維持するためには、ニーズに応じてシステムをダイナミックに開発・変更できる仕組みが必須です。そこで有効な開発手法が、ローコード開発プラットフォーム。非効率な手入力が不要のビジュアルプログラミングにより、ITエンジニアでなくてもシステム開発に参加できます。

しかし、ローコード開発だけを導入しても、システム全体の持続的な環境は達成されません。開発チームと運用チームの連携を強化し、テストとそのフィードバック、保守・管理など、迅速な意思決定を可能にする文化を育むことが重要だからです。それが前回の記事で紹介した、DevOpsやSREです。

つまり、開発を効率化・高速化させるには、テスト環境までセットで整備する必要があります。テストにも、効率的な機能を持つサービスを導入すれば、プロセスの効率化が図られ、開発サイクル全体が短縮されます。

テストを自動化・効率化するメリット

システム開発だけでなくテストも内製化する体制は、多くの点でメリットがあります。

効率的なプロセス:テストケースを最適化することで、より高い品質のソフトウェアを提供できます。迅速なフィードバックが得られるため、チームは問題を早期に特定し、改善策を講じることができます。

時間や人のリソースが最適化され、開発プロセス全体の効率が向上すれば、コスト削減も可能になります。開発サイクルが短縮され製品の市場投入までの時間が短くなれば、顧客満足度(CS)の向上によって、企業の信頼性も高まります。

開発・運用双方の負担軽減:運用から上がってくるバグやインシデントレポートだけではわからないことは、開発チームが自らテストする必要があり、その重要性が増します。限られた開発チームのリソースで多くのタスクをこなすには、テストの自動化・効率化が必須です。

コラボレーションの強化:生成AIに指示を出す手法は、「プロンプトエンジニアリング」として重要になりました。同様に、人に的確に指示を出す、ローコンテキストなコミュニケーションを見直すことにも役立ちます。

AIを活用することで、開発チームとテストチームの連携が強化されます。共通のツールを使用して情報共有が容易になり、チーム全体の生産性が向上します。

スキルの向上:開発エンジニア自身がテストに関わることは、ユーザーの理解にもつながります。メンバーは新しい技術や手法を学ぶ機会が増え、チーム全体のスキルが向上し、競争力が高まります。効率的なテストプロセスで手動での作業が減少し、よりクリエイティブなタスクに集中できれば、仕事の満足度も高まります。

また、AI技術やテストの自動化など、今後のトレンドとなるスキルをメンバーが習得することで、自分の市場価値が向上します。選択肢が広がり、将来的なキャリア形成に役立ちます。

イノベーションの促進:テストプロセスが効率化されることで、開発チームは新しい機能やサービスの開発に集中できるようになり、組織全体のイノベーションが促進されます。

テストを自動化・効率化するプラットフォームmabl

クラウドベースのシステムテストプラットフォームとして知られるmabl(メイブル)は、主に自動化テストを支援するために設計されています。変化するビジネスニーズに応じてテスト戦略を柔軟に調整・自動化できるので、エンジニアはより重要なタスクに集中できます。

mabl Quick Overview – YouTube

  • 自動化テスト:UIテストの自動化を簡素化し、コードを書くことなくテストを作成できる機能
  • AI駆動のテスト:テストに失敗した場合、AIが原因を分析し、自動修正してテストの保守性を向上
  • インテグレーション: JIRA、Slack、GitHub、Jenkins、CircleCIなどと統合
  • テストの可視化:テスト結果やパフォーマンスデータを、ダッシュボードで視覚的に表示
  • クロスブラウザテスト:複数のブラウザやデバイスなど、異なる環境でのテストをサポート
  • ユーザーフレンドリーなUI:直感的なUIで、エンジニアでなくても利用しやすい操作性
  • テストのスケジューリング:テストを定期的・継続的に実行するスケジューリング機能
  • レポートと分析機能:詳細なテスト結果を視覚的に表示し、問題の特定や改善点を把握しやすく
  • セキュリティーとコンプライアンス:エンタープライズニーズに応じたデータ保護機能を提供
  • サポートとコミュニティー:問題解決やベストプラクティスを共有できるサポートやリソース

テストも生成AIによって強化される時代

生成AIは、プログラミングのスタイルも大きく変えつつあります。主要なサービスだけでも、Code LlamaやGitHub Copilot、Google Codey、OpenAI Codexなど、さまざまな種類があります。生成AIによってプログラミングが効率化され、エンジニアの負担が減ることから、ローコード・ノーコード開発プラットフォームすら不要になるのではと、煽り気味に誤解されていますが、実際には相互に補完する関係を築いています。

mablがサポートするAI機能でも、テストの自動化が可能です。AIを使うことで過去のデータを分析・学習し、テストケースを生成したり、テストプロセスを最適化して、異常を検知できます。システムを変更した場合、テストも自動的に更新され、人が手動で修正する必要はありません。従来の手動テストに比べて、遙かに迅速かつ効率的です。

OutSystemsなどとmablとの組み合わせ

もちろん、迅速なアプリケーション開発を可能にするローコード開発プラットフォーム、OutSystemsとmablの組み合わせは非常に強力です。

mablも、非エンジニアでもテストを作成できるように設計されていて、直感的なUIでテストの作成や実行が可能です。つまり、OutSystemsで設計・開発されたアプリケーションを、mablでもローコードでテストを自動化・効率化できます。OutSystemsとシームレスに連動したテストは、簡単な操作性と高い品質を確保できるだけでなく、多様な視点を持つ包括的なテストを可能にします。

さらにmablは、SalesforceやServiceNow、Microsoft Power Apps、GitHub Actionsなど、さまざまなプラットフォームと組み合わせられます。

テストの内製化に不可欠な体制や環境とは?

システム開発や運用・保守を、外部のSIerに頼り切っていた状況から、内製化にシフトすることは、一朝一夕には実現しません。その理由は、単なるプラットフォームの選択や技術的な問題というレベルではないからです。自社にとってのビジネスモデルや戦略、組織文化に深く関わる経営課題に直結しています。いくつかの観点から考察してみましょう。

経営戦略との整合性

システム開発から運用全体の内製化は、企業の経営戦略抜きに語ることはできません。自社が目指す方向性や市場のニーズに応じて、どのようにITを活用するかを戦略的に考えることが重要です。特に重要なのは、自社が持つ競争優位性や強み、顧客に対して提供する価値の中心となる部分である、コアビジネスを明確に定義することです。

組織文化も高速に変革

内製化を進めるには、組織文化の変革・改善が不可欠です。開発と運用チーム双方の連携を強化し、積極的な情報共有やコミュニケーションを促進することで、成功率が高まります。つまり、DevOpsやSREと切り分けて考えられません。また、従業員のスキル向上や教育、心理的安全性の確保も重要な要素です。

フィードバックループの構築

テストの内製化を進めるには、開発とのフィードバックループを強化することが重要です。OODAループを加速することで、迅速な意思決定が可能になります。テスト結果を迅速に開発に反映させるアジャイルな仕組みで、システムをスピーディーに改善し続けられます。

ハイブリッドモデルの採用

内製化率を高めていくには、限定的なプロジェクトで小さなトライを積み重ねるのが現実的です。そのため、外部のパートナーとの協働または委託も、引き続き選択肢となります。内製化とアウトソーシングを組み合わせたハイブリッドモデルを採用することで、負担やリスクを軽減しつつ、柔軟な対応が可能です。

例えば、重要なシステムの設計や開発、テストは内製化することで柔軟性の確保や品質向上を図ります。その一方で、保守や運用はアウトソースしてリソースを最適化する、複合的なアプローチも十分考えられます。内製化が、必ずしもコアビジネスに直結しない場合も同様です。

ただし、アウトソース先のSIerが持つ特定の技術や専門知識が共有できる、より戦略的なパートナーシップを築く見直しが求められます。

テスト結果の迅速なフィードバックが成長のカギ

レガシーシステムからの脱却や、DX人材の確保・育成、そして組織文化の変革のためにも、システム開発とテストの効率化を進め、内製化を推進することが急務です。

ユーザーの立場に立ったシステムのより深い理解を導き出すには、人が判断しなくてもいいことは自動化・効率化が必要です。社内に最低限のナレッジを溜めておかなければ、わざわざ貴重なリソースを使ってテストしたところで、何が正しいのか評価できません。開発の内製化においてローコード開発のニーズが高まっているように、高品質なシステムを実現するテストの重要性は無視できません。

効率的なテストサービスを導入すれば、変化の激しいビジネス環境においても競争力を維持し、持続可能な成長と真のDXを実現できます。効率的なプロセスや品質の向上、コラボレーションの強化、スキルの向上、キャリア形成の機会など、さまざまな側面での成長が期待できるため、企業にとって重要かつ有効な投資となるでしょう。

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リプリパ編集兼外部ライター
企画制作や広告クリエイティブ畑をずっと彷徨ってきました。狙って作るという点ではライティングもデザインの一つだし、オンラインはリアルの別レイヤーで、効率化は愛すべき無駄を作り出すため。各種ジェネレーティブAIと戯れる日々です。
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